茶の湯とは
戦国時代、当時の侍は今日生きるか死ぬかという境地で生きてきました。そんな境地にもかかわらず、死に対しても動じない心、覚悟を持っていました。
なぜそのような精神力を持っていたのか、その根源は茶の湯にあったのです。彼らは茶の湯を通じて己と向き合い、最後の一瞬にも動じない心を練り上げていたのです。
現代ビジネスという戦場において私たちは毎日戦っています。日々ストレスや重い責任感で誰にも語れない孤独な日々を過ごすこともあるかもしれません。
そんな現代の戦うビジネスマンのために己と向き合う力、動じない心を養い、あなたの魂に寄り添うのが茶の湯です。
茶道具について
茶の湯は名品と謳われる茶碗に始まる茶道具の美を愛で、わび・さびを愛する日本独自の伝統文化を築いてきました。
美を愛でる精神はリーダーたちが究極的に持たねばならない素養です。
茶道具を収集する事も茶の湯の楽しみの一つです。
濃茶、薄茶を頂く茶碗で、普段にお茶を頂くお茶碗から、人間国宝が作られた国宝級の茶碗があります。楽焼、益子焼、備前焼など、日本には沢山の窯があります。
楽茶碗は、 一楽二萩三唐津と言われるように、茶碗の中で最高峰のものです。ロクロを使わず、手ごねでかたどり、箆(へら)を使って整える技法で作られています。
濃茶用の抹を入れておく陶器製の容器のことを「茶入れ」と言います。戦国時代、武将が武勲を立てた褒美として、一国ではなく茶器を賜わり、最高の誉れと感激したようです。
棗(なつめ)は、薄茶器の一種で漆工の容器、形状が棗の実に似るので棗形茶入とも言われます。さまざまな形の棗があり、蒔絵などで装飾されたものもあります。
お茶を点てる時に、棗から抹茶を掬うためのものです。茶杓の回数や加減により薄茶、濃茶の味が生まれます。茶人が自ら削って制作したものがあります。
湯加減を調整するため、点前に必要な水を入れておく器で、さまざまな素材で作られ、形も豊富です。別の用途で作られた道具を、茶道具として見立てて用いる楽しみもあります。
許状(きょじょう)・資格について
入門されたら初歩の稽古から始まり段階を追って進んでいきますが、稽古の段階ごとに学ぶことを許可する「許し状」のことを「許状(きょじょう)」といいます。
身につけて学び終えた証(あかし)、すなわち終了証≠ライセンス免許を意味するものではありません。
裏千家では「許状」のほかに、その修道の度合いよって「資格」制度を設けています。
これは茶道の修道者としての習熟度を表すものであり、これによって入試の願書や就職の際に提出する履歴書に明記しても社会的な理解が得やすくなりました。
初級
【入門 】 | : | 最も基本となるおじぎの仕方から始まり、割稽古(わりげいこ)と呼ばれる部分稽古を修得して、はじめてお茶を点てることになります。 |
【小習(こならい) 】 | : | 前八ヶ条と後八ヶ条の十六ヶ条の習い事であり、茶道の基本を養う上で最も必要な課目です。 |
【茶箱点(ちゃばこだて) 】 | : | 茶箱(ちゃばこ)と呼れる箱を使って行う点前(てまえ)であり、季節により種類があります。取得することで初級の資格が得られます。 |
中級
【茶通箱(さつうばこ) 】 | : | 濃茶(こいちゃ)を同じ客に差し上げる場合の点前です。 |
【唐物(からもの) 】 | : | 茶入(ちゃいれ)が唐物(からもの:中国産)の場合の扱い方です。 |
【台天目(だいてんもく) 】 | : | 天目(てんもく)茶碗を台にのせて扱う点前です。 |
【盆点(ぼんだて) 】 | : | 唐物茶入が盆にのった場合の点前です。 |
【和巾点(わきんだて) 】 | : | 名物裂(めいぶつぎれ)、拝領(はいりょうきれ)等をもって作った古帛紗(こぶくさ)の上に、袋に入れた中次(なかつぎ)をのせて扱う点前です。取得すると中級の資格が得られます。修道期間の目安は初級から中級まで2年~3年です。 |