現代社会はいろいろな要素が複雑に絡み合い、一たび問題が起こるとそれを解決することは容易ではありません。

現代のリーダーはそういう困難な問題に正面から取り組み、問題を解決せねばなりません。

雑念を追い払い、問題の本質を明らかにし、問題を本質から解決しなければなりません。
そうするためには、茶の湯の修行で培われた、余分なものをそぎ落とし、本質のみを見出す能力が役に立ちます。
またその解決方法を見つけるに際しても狭い茶室の中で熟考する習慣は大いに有効です。

その決定された意思を実行に移す際は、茶の湯の根源である「和敬清寂」の心をもって接することが大切です。
茶の湯を学ぶと自他一如の境地となり、清寂で心豊かな世界を感じとれるようになります。
更に、狭い茶室で長時間にわたって思いを共にし、お互いに心を通わせ、他者との間に真の信頼関係を築くことが出来ます。

また、茶の湯は日本の伝統文化の中核をなすもので、余分の物をそぎ落とした究極のシンプルなものに美を見出します。

これが千利休が完成させた「わび茶」です。

茶の湯を嗜むことで美を愛でる心が育まれ、世界のリーダー達と交わってもそれぞれの自国の文化論議が出来るようになります。