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オリエンタルラジオの中田敦彦氏が最近、茶道を始めたことはご存知でしょうか?

茶道と言えば女性の嗜みとしての習い事のイメージが強いかもしれませんが、中田さんのように茶道を始める男性が最近増えてきています。

実際に、私の教室にも多くの男性から問い合わせをいただいております。

日々、仕事で忙しくなかなか時間が取れないはずの男性が茶道を行うメリットとは何なのでしょうか?

本記事では、男性が茶道を行う10個のメリットについてお話ししていきたいと思います。

 

1. 心のバランスが取れる

戦国時代の侍はことのほかお茶を愛好したと言います。

常に死と隣り合わで心を休める時間がない侍が、唯一心にゆとりができる時間だったからです。

つまり、殺伐な動に対しての茶道の静が、精神のバランスをとっていたのです。

私は、現代の侍は、日々ビジネスという現場で戦っているあなただと思っています。

日々、多大なストレスに晒されながらも、熱心に仕事に打ち込む姿はとても素敵ですよね。

しかし、気づけば多忙な日常に流され、己と向き合う時間が疎かになってしまっているのではないでしょうか?

だからこそ、忙しく常に動き回っている男性の方は特に、茶の湯の静の時間が必要なのです。

 

2. 相手に好印象を与えることができる

茶道が趣味の男性は、周囲に知的な印象を与えることができます。

なぜなら旅や筋トレ、車などの一般的な趣味と比べて、茶道は敷居が高いイメージがあるからです。

ですので、プライベートだけではなくビジネスにおいても「趣味は茶道です」と相手に伝えるだけで、あなたに対する印象がガラッと変わるはずです。

実際に、私の生徒さんの一人は、「茶道を趣味にすることで、交友関係が広がったりビジネスの取引が上手くようになった」とおっしゃっていました。

相手に印象を持ってもらうためにも、茶道に取り組むのはとても有効な手段だと思います。

 

3.心を整えてビジネスに邁進できる

たまに、「茶道に興味があるけど、仕事が忙しすぎて…」という方がいらっしゃいます。

しかし、そういう方ほど茶道をすべき人だと私は思います。

パナソニックの創業者である松下幸之助氏も、書籍(茶人・哲学者として(谷口全平・徳田樹彦著)宮帯出版)の中でこう述べています。

「茶などやる暇がない」と言う財界人ほど、茶の道に入る必要がある。

また、このようにもおっしゃっています。

「この道に入ることによって生まれる心のゆとり、これが必要だ。」

その証拠に、松下氏は、朝、庭にある二坪(一畳台目)のお茶室に入り、自ら一服のお茶を立ててから仕事に向かったと言われています。

そのことについて、松下氏は、「この朝の行事のうちに、僕はいい知れぬ心のやすらぎを得るのと同時に、その日1日の心のととのえをするのである。」と述べています。

 

4. 礼儀作法が身に付く

茶道をするメリットとしてよく言われるのが「礼儀作法、マナーが身につく」ということです。

「準備をする」「物を運ぶ」「お茶を飲む」「片づける」などの些細な日常的な行動が、茶道の中では丁寧で美しい所作に生まれ変わります。

茶道を続けると、そういった丁寧な所作が体に染みつくので、当然、日常生活の所作も変わっていきます。

所作が美しければ、仕事でも一目置かれる存在になれるかもしれません。

 

5. 姿勢が良くなる

茶道をしているときは、背筋を伸ばして胸を張り、体の軸がぶれません。

歩く時、お抹茶を点てる時、お辞儀をする時など、常に姿勢の良さを意識していているからです。

ですので、最初は猫背になってしまったり腰が曲がっていたりする生徒さんも、茶道を続けていると、どんどん姿勢が良くなっていきます。

人は外見が見た目が9割と申します。

茶道を続けていると、姿勢(見た目)が美しくなるので、人に与える印象が良くなります。

そうした意味でも、茶道はとても魅力的な稽古だと思います。

 

6. 日本の伝統文化を身につけることができる

グローバル社会において、自国の文芸を嗜んでいることはとても重要なことです。

なぜなら、世界では自国の文化や歴史について無知な人は、常識がない人という印象を持たれるからです。

しかし残念ながら、我々現代を生きる多くの日本人は、自分たちの国、日本について語ることができないのが現状です。

そういった現状に気づき、日本の伝統文化を学ぶために、茶道を学ぶ人は少なくありません。

日本の総合伝統文化と言われる茶道には、たくさんの日本文化の要素が散りばめられています。

茶室(伝統建築)、掛け軸(書道)、床の間の花(華道)だけでなく、四季折々の和菓子、伝統的な焼き物、着物など、包括的に日本の文化を学ぶことができるのです。

 

7. 豊かな感性を身につけることができる

路地を通りお茶室に入ると、そこには神聖で静かな別世界が広がっています。

厳かな雰囲気の中で、お抹茶を点てると普段は気づかないようなことに気づくことがあります。

例えば、杓から滴る水の音、ほのかにかおる抹茶の香ばしい匂い、抹茶を飲むお茶碗のどっしりとした感触、雨が窓から降る様子。

茶室に入ると感性がとても研ぎ澄まされるので、こういった小さな出来事にも気づけるようになっていきます。

忙しい日常の中でも感性を研ぎ澄ませて、小さな幸せを見つけられるようになることも茶道の一つの魅力です。

 

8. お客様をおもてなすことができる

松下幸之助氏は特別な来客がある際、お茶でもてなすことがよくあったそうです。

松下電器の広告に起用されていた元横綱の初代若乃花も、そのおもてなしを受けたひとりです。

昭和35年の春場所で優勝したとき、松下氏に報告しに京都に訪れました。

若乃花は茶室に通されると、幸之助みずからがお茶をたてて歓迎したと言われています。

若乃花はお茶の作法をよく知らずに困っていたそうですが、

幸之助氏が「まあ、ここはだれもおらんから」と声をかけたそうです。

その後、若乃花は気が楽になり、幸之助と充実した時間を過ごしたと言われています。

多忙な松下氏が、若乃花一人のために点てる抹茶の味は一体どんな味がしたのでしょう。

若乃花もさぞ感動されたことだと思います。

このように、茶道を通して大切なお客様をもてなせたらとても素敵ですよね。

 

9. リーダーとして成長する

日本の偉大な経営である、松下幸之助氏(パナソニック)、稲森和夫氏(京セラ)、また、日本の歴代の首相も茶道を通じ自らを鍛錬していました。

彼らはまさに上記で述べたような茶道のメリットをビジネスに取り入れて、人間性を高め、リーダーとしての人格を養っていたのです。

私の生徒さんの中にも、茶道を始めたことで、ご家族や周囲の人達から絶大な信頼を寄せらるようになり、日常生活や ビジネスが好転したという人がいらっしゃいます。

茶道を通じてリーダーとしての素養を身につけてみてはいかがでしょうか?

 

10. 一生の趣味になる

茶の湯はいつからでも始められる、一生の趣味です

モデル、テレビ、エッセイなど、多方面で活躍するモデルのはなさんは茶道についてこのように語っています。

よく、茶の湯はハードルが高いと思われているようですが、歴史を学び、本物を見極める目を養い、感動する心を持てるのが茶道です。だから、興味をもったら、即、始められ、まずは楽しんでください。

年齢はまったく気にすることはありません。私のお茶のお稽古には、90代の先輩もいらっしゃいますから、本当に永く楽しめる一生の趣味だなあと思います。

 

私も、茶道はいつからでも始められる稽古だと思っています。

実際に私の教室に通っている多くの生徒が30代、40代、50代から茶道を始めています。

 

終わりに

かつては500万人いたと言われる茶道人口も、今では220万人(2018年)と半分となってしまいました。

その中で、男性の茶道人口は20%と言われていますので、まさに希少な存在です。

しかし、だからこそ、あなたには勇気を持って、茶の湯の世界に足を踏み入れ欲しいと思っています。

流されてしまいがちな忙しい日常とは違う、茶の湯という非日常な世界をぜひ体験してみてください。